PERFECT DAYS


こんにちは、あやはなです。


最近少しまとまった時間が出来たので、
何本か集中して映画を観る事が出来ました。
と言ってもアマプラです。


いつか観ようと思ってた「パーフェクトデイズ」を観ました。
役所広司さんカンヌ主演男優賞を獲った作品ですね。
前にも「うなぎ」という映画で受賞してた気がします。
渡辺謙さん役所広司さんどっちが名優でしょう。
とたまに考えます。






なぜ役所広司トイレ掃除してるだけの映画が、
こんなに良いのか?


この映画は監督がヴィム・ヴェンダースさんですが、
エンドロールにやたらUNIQLOと創業者一族の名前が出るので何でだろう?と調べたら、
最初に企画ありきでスタートしてる作品みたいですね。


柳井さんの次男さんが個人で立ち上げた会社でやってる、
東京のトイレリノベーションしていこうというプロジェクト「THE TOKYO TOILET」
をPRして維持していくために制作された映像作品だったそうです。
最初は何編かの短編だったそうですがヴェンダース監督のアイデアで、
長編へと生まれ変わったのだとか。
ちなみに柳井さんと電通の担当者さんヴェンダース監督のファンだったそうで、
そこからオファーしたのだそうです。


要約してあからさまな言い方をしてしまえば、
資金は潤沢だけど庶民の地味な暮らしにスポットを当てた、
企業案件の自主制作映画なんですが、
これがそうは思わせない素晴らしい映像の力で、
思わず作品に入り込んでしまう魅力的な作品となっています。


何より役所広司さんの演技の説得力ですよね。
やっぱりお上手だなと感心してしまいます。


ロケ地も素敵で主人公の住むアパートは、
今時よくこんな昭和なアパート見つけたなって感じの素晴らしい物件ですが、
また表にある自動販売機がとても良い味を出しています。
とても痺れるロケーションでした。




ヴェンダースさん日本映画のファンでもあるそうで、
今回の作品も東京という街をあらゆる名カットで切り取ってくれています。
特にチラッと映る夜明け近くの神社の森はよくこんなん見つけたなと感心してしまいますね。
東京に住んでる人から見ても美しいなと思ってしまいます。


そして役所さん演じる平山さんが見る夢のシーン。
印象的なモノクロの映像達が重なって映し出されるシーンは、
非現実的に美しくて魅力的な効果がありました。
こちらはヴェンダース監督の奥様の作品だそうです。


役所広司トイレを掃除する。
詳しい説明はないけど、なんか色々あったんだなと想像する。


この2行で説明出来ちゃう映画ですが、
何より素晴らしいなと感じたのは、
役所さん演じる平山さんの世間との距離感。
これが本当に絶妙なスタンスで良いなと思いました。
これくらいが1番自由に暮らせるんじゃないかなとつい錯覚してしまうほどに、
美しい距離感に映りました。


音楽も70年代のロックの使い方がとても良いです。
そして全体のテーマとして流れる木漏れ日。
日本の美をドイツの名監督が撮った「パーフェクトデイズ」
名作ですね。



このサイトはめちゃくちゃカッコイイですね。
歪むテキストがオシャレすぎます。


PERFECT DAYS 公式サイト
https://www.perfectdays-movie.jp/


思わず全部周ってみたくなりますね。


The Tokyo Toilet 公式サイト
https://tokyotoilet.jp/



昔、ヴェンダース監督の作品「パリ、テキサス」の音楽を、
大好きなライ・クーダーさんが手掛けて絶賛されていたので観ましたけど、
自分勝手で嫉妬し過ぎておかしくなった男に振り回される奥さんと子供と周りの家族という、
どうしようもない映画でやたら長いしでもう観たくないなと思ってましたが、
「パーフェクトデイズ」が良かったので久しぶりに観てみました。


主人公は相変わらずですが、
ナスターシャ・キンスキー演じるお母さんが美し過ぎますし、
子役のハンター君いじらしくも逞しい健気な演技が素晴らし過ぎました。
最後の元夫婦再会シーンの焦ったくてモヤモヤし過ぎるアイデアは本当に秀逸です。


そしてライ・クーダーざらっとした空気感のスライドギター。完璧です。
ただの大傑作映画でした。歳を取ると急によく見えちゃう映画だと思いました。




似たような映画では有名な「バグダットカフェ」もありますが、どちらも素晴らしいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=JzMIcNXcIOY

そしてついでに「バグダットカフェ」の名曲。

こちらはカバーですが、より洗練された素晴らしいアレンジ。

Calling You - HOLLY COLE TRIO

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