ぷりま!その5

 

「え〜本日のゲストをご紹介しましょう。
 昨日の花っぴぃからの紹介でこの方。
 今話題の天才バレエダンサー、
 花咲ぷりまさん!」


きゃー!!




「パモさんはじめますてだ!
 おらパモさんに会っで、
 この番組出るのが夢だっただ!」


「いやいやお花いっぱい来てるね?」


「あ、スワン次郎先生からも来てるだ!
 くまぺつさんも!みんなありがとだ!」


「大谷翔ぺい?!知り合いなの?!」


「しょうぺいさんとは実家が近所だ。
 よくお醤油借りに行くだ。」


「あぁ岩手だったよね!」


「嬉しいだなや…」







「そういえば来年はパリで公演があるんだ?」


「そだ!いよいよパリのポペラ座公演が始まるだ!」


「すごいね〜…





ぷりま〜


ぷりま!


ぷりま〜


ぷりま!


ぷりま〜


ぷりま!!





「パモさん…」


ゆっくりと目を開けるぷりま。






「ア、気ガ付イタダヨー!」


「良カッタダヨー!!」







「ここは...?」


「ココハ、アヤハナノ2階ダヨー」


「お、おら…一体…」



「踊ッテタラ凍ッタダヨー」


「そ、そっか...

 おら夢中で踊ってたら止まらなくなって…」



「ビックカメラサンカラ、ドライヤーヲ100台借リテ温メタダヨ!」


「皆ンナ心配シテタダヨー」


「エライ先生ガ来テ治療シテクレタダヨ。」


「そうだったんだか…」




生きてる。

その喜びを噛み締めるぷりま。









「気が付いたか。もう大丈夫だろう。」


「先生、なんてお礼を申し上げたらよいか…」







「プラックピャック、ありがとう…」






「目が覚めたようですね」





ぷりまの元にスワン次郎がやってきた。
今までのことを思い出したぷりまはただ謝るのみであった。

「スワン次郎さん…すんません…」







しかしスワン次郎は目が覚めたばかりのぷりまに、

厳しい現実を突きつけるのであった。









「ヤッパリ…ダメナノダヨ?…」


うなだれる花っぴぃたち。



「第一に演技中に舞台で凍ってはいけません。」


「…おら夢中になり過ぎて…」


「ぷりまさん。あなたは誰よりも速く回りたい。
 でもバレエとはそういうものではないのです。」


「......」


「己から湧き上がる感情を、
 研ぎ澄まされた精神と身体で表現し、
 観客に届けるのがバレエダンサーです。」


「.......」


何も言葉がないぷりまであった。








「スワン次郎、言イ過ギダヨー!」


「ソウダヨ!プリマノターン凄カッタダヨー」


スワン次郎を責める花っぴぃたち。
その時、プリマが重たい口を開いた。


「花っぴぃたち…いいんだ…
 スワン次郎先生の言う通りだべ…
 おら誰よりも速く回り誰よりも高く飛びたい…
 それしか考えでなかっただ…」


そう言って、うなだれるぷりま。


「おら何も分がっでながった…
 勘違いしてただ…






そっと荷物をまとめるぷりま。


そしてトボトボと玄関に向かうのであった。



「みんな...お世話になりましただ。
 あやはなボロボロにしでごめんだ…」






「気ニシナイダヨー。大丈夫ダヨー」


「ミンナデ工事スルダヨースグ直ルダヨー」


いよいよぷりまとお別れの時がやってきた。


「マタ遊ビニ来ルダヨー」


「イツデモ戻ッテ来ルダヨー」


「み、みんな...ありがとだど...」


別れは寂しいけれど、
またいつか会える日が来ると信じて、
みんなで見送る花っぴぃたちであった...











「あ、工事で思い出しました。」


見送りに来ていたスワン次郎が口を開いた。

「今度あやはなを改装して劇場を作る予定です。


「エ?聞イテナイダヨ?!」


「まぁ、これから人手も要ることですし、ぷりまさん。
 工事を少し手伝ってみませんか?
 手伝いながらでも少しずつバレエを学べるはずです。」




「どういうことだべか...」


「ぷりまさん。
 あやはなロイヤルバレエ団への入団を許可します。」





「えぇ...!!本当なんだべか...」


「プリマヤッタダヨー!!」


「オメデトウダヨー!!」




ついにぷりまの入団
が決まった。

花っぴぃたちと抱き合って喜ぶ、ぷりまであった。






喜び抱き合うぷりま達を遠くから見つめるスワン次郎。







「お、おら早速、田舎の仲間たちに伝えで来るだ!
 花っぴぃたち手伝ってくんろだ!」






幼い頃からの夢であった、
あやはなロイヤルバレエ団への入団が決まったぷりま。


白鳥スワン次郎率いるあやはなロイヤルバレエ団。
世界中から最高の舞台を目指して、
夢見るバレエダンサーたちが集まる場所。
これからがぷりまにとって本当の戦いの始まりなのであった。




ぷりまが嬉しい知らせを持って故郷に帰った日...












番組の最後に

あやはなテレビからのお知らせ



この番組をご視聴頂いた方の中から抽選で1名様に、

「ぷりま!オリジナルTシャツ」をプレゼントいたします。

ご希望のサイズを明記の上、お問合せからご応募ください。

抽選の結果は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。










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