Step Into Paradise


こんにちは、あやはなです。



天才×天才。



一度はこの目で見ておきたかった、
矢野顕子×上原ぴろみさんの共演。
「Step Into Paradise」を観に、
初台オペラシティコンサートホールへ行って来ました!





7年振りの再演。
以前からまた共演したら絶対に観に行こうと思っていました。
矢野さん的にはぴろみさんとの共演は本当に精魂を使い果たすそうで、
体力的に今回で最後ではと言われてます。
チケットが取れて本当にラッキーです。


今回はライブがそのままCDになるという、
レコーディングも兼ねたライブです。
演奏する曲はすべて新曲という事ですが、
どんな演奏が聴けるのかワクワクしますね。
タイトルも「楽園に踏み込む」
まさにそんな気分で出掛けました。


オペラシティに到着。


変なオブジェがいました。
ここはクリスマスになると大きなツリーが飾られますね。


仕事ではよく来てますが、いつもは楽屋ばかりなので、
ホールに入るのは今回初めてです。

かっこいいホール!
柳澤孝彦+TAK建築研究所の設計だそうです。良い仕事ですね。



今やに乗ってるピアニスト、
かてぃんこと角野隼斗さんからお花が来てました。


残念ながらあやはなのお花ではありません。


着席してホールを眺めて開演を待っていると、
開演前に矢野さん本人の前説アナウンスがあってほっこりしました。
今回はレコーディングライブ。携帯の電源はオフにしてしっかり聴きます。
咳払いも録音されてしまうので聴く方も緊張しますね。


YAMAHA vs STEINWAY


そしていよいよ、
真っ赤な衣装の矢野さん鮮やかな緑の上原さん登場!
上原さんフジロックの時もでしたね。
矢野さんは可愛いおばちゃんなので、
仲の良い歳の離れた姉妹にも見えます。
2人向かい合ってピアノに座って開演。


1曲目はめちゃジャジーな「変わるし」でスタート。


2曲目は「げんこつ山のたぬきさん」と忘れてしまいましたが別の曲と合わせた、
「げんこつ山アイランド」(って仰ってたと思います)
上原さんのふわふわとした不思議な緊張感のあるフレーズの連続に、
アレンジ能力の高さを見せつけられます。
すごく良いです。


3曲目は宇宙飛行士の野口さん作詞の「ドラゴンはのぼる」
始まる前のMCで宇宙愛について語る矢野さん。
途中でいきなり、
「でも上原さんはそこまで宇宙に興味はないと思います」と振ると、
慌てて「そ、そんな事ないですよぉ!」と返す上原さんに笑ってしまいました。
谷山浩子さんもそうでしたが、この年代の方はいきなり年下の共演者を動揺させるという、
ドSな気質がありますね。
さすが長き時代を生き抜いたアーティストです。


そして間髪を入れずに上原さんの曲「ポラリス」矢野さんの歌詞を付けたバージョン。
これはありそうだなと思ってました。
メロディがとにかく美しいですし、
以前にも上原さん「GREEN TEA FARM」矢野さんが歌詞を付けて歌ってましたね。
ただ新しい曲だからか、矢野さんが少し歌い切れてない気がしました。


その後は1作目のLean on me2作目のAin't No Sunshineに続いて、
ビル・ウィザーズさんのカバーで超名曲Just two of us

そして上原さん作詞作曲の新曲を矢野さんが立って歌いました。


最後は朝ドラ「ブギウギ」から笠置シヅ子さん「ラッパと娘」と、
スティービーワンダーThat Girlを合わせた「ラッパとあの娘」
これがとてもとても長いスペクタルなアレンジでした。
上原さんのガッ!と弾いて腕を素早く引く左手に釘付けです。
そして高速ドミノ倒しの様な登っては降りて来る速くて細かいフレーズ。
上原さんアクセル全開でした。


そして一旦終演からのアンコールは、
まるで2人で上原さん「スペクトラム」を弾いてるかの様なアグレッシブな連弾からの、
「ラーメン食べたい」


思わず観客から「おぉ、やっぱりそれか!」みたいな歓声とどよめきが起こりました。
今回レコーディングライブという事で70分位のライブだよという前説でしたが、
おそらくここですでに時間を越えてました。


これで終わりかな?と思っていると、
何やらお二人がステージ上に残って相談をしています。
(後で知りましたが上原さんのダメ出しからのやり直しする曲を決めていたみたいです)


ここからがこのライブのすごい所で、
居残り特訓ならぬ、居残り再録ライブが始まります。
そして再び「ポラリス」「ラッパとあの娘」を演奏。


もう本当にプロってすごいなと感心してしまったんですが、
2回目のテイクは矢野さんのボーカル見違えるほどに伸びやかにグルーヴしてます。
長くて難しい「ラッパとあの娘」のボーカルも最初より、
遥かに声が出てメリハリの効いた演奏に生まれ変わりました。
そして寸分違わぬ運指とパッションを纏った上原さんのピアノ。
うわぁ〜たった2回目でこうも洗練されてしまうのかとめちゃめちゃ驚きました。


終わった瞬間思わず声が出てしまいましたが、
他の観客も同様だったようで、大歓声が沸き起こりました。
天才×天才が起こすミラクル×ミラクルを目の当たりにした瞬間でした。
上原さんはあの短い時間でどんなアドバイスをしたのか気になりますね。


お二人ともツアー中で忙しい中のプロジェクトなので、
正直ライブ中はもっと練習すればきっとすごく良い曲なんだろうなと思う瞬間があったり、
明日もあるからそっちが本番かなと思ってましたが、
いやいや本物のプロは2回で充分なんですね。
とんでもない才能が生み出すクオリティを実感しました。
そして矢野さんはエンジンが掛かるとやはり、
唯一無二のボーカリストだなと思いました。


お二人のレコーディング風景を見ているというか、
プロ同士のプライドのぶつかり合いを感じられた、
本当に素晴らしいライブで貴重な経験になりました。
やっぱり半端ないです。


そんな中でも矢野さんのMCにほっこりしながらの、
とても観客想いのアットホームレコーディングライブでした。
今回のライブは12月6日にCDで発売されるそうです。
どんな作品に仕上がっているのか今からとても楽しみにしています。



前回までの共演からベストテイク。


まるで猛牛と闘牛士。
大御所を相手に一切の妥協なくガチンコで当たりに来るぴろみさん、
軽やかな歌とステップでかわす矢野さん。
矢野顕子×上原ひろみの記念すべきファーストコンタクト。


矢野顕子 × 上原ひろみ「そこのアイロンに告ぐ」
https://www.youtube.com/watch?v=faa_c5V_Vww



ぴろみさんがこの曲を聴いて再演を望んだそうです。
矢野さんロケット大噴射。ぴろみさんのハイパードライブが、
豪快に宇宙の果てまで飛ばします。


矢野顕子 × 上原ひろみ「飛ばしていくよ」
https://www.youtube.com/watch?v=RfShXyS9LMQ



ラーメン食べたい。
本当にラーメンがお好きなお二人ですが、
ぴろみさんは日本にいるとラーメンばっかり食べてて心配になります。


矢野顕子 × 上原ひろみ「ラーメン食べたい」
https://www.youtube.com/watch?v=A4wbeSH8jDM



個人的に思うお二人の共演の中で最高傑作。
糸井ぴげさとさんの歌詞とお二人の素晴らしい表現力が生んだ芸術。
夏の海や野山を駆け巡る子供たちの姿がありありと目に浮かびます。
いつ聴いても感動してしまいます。
「そいつは僕だ。そいつは君だ。」


矢野顕子 × 上原ひろみ Children in the Summer
https://www.youtube.com/watch?v=K37W0Ooqjwo



天才×天才。
本当にお2人のピアノから飛び出す音のシャワーを、
豪快に浴びた最高に気持ちの良いライブでした。

やっぱり半端ないです。









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