スザンヌ・ペガ



こんにちは、あやはなです。


前回の奈良美智さんの展示の中にスザンヌ・ペガさんのアルバムを見つけて、
自分も中学生の時に本当によく聴いてたアルバムだったので、
久しぶりに聴いてみようと思ったら、ちょうど今月ニューアルバムが出ていました。
10年振りのニューアルバムだそうです。





スザンヌ・ペガさんNYの吟遊詩人と呼ばれる通り、
街の人々の暮らしや物語詩的に切り取った曲を書くのがお上手な方ですが、
デビュー当時はジョニ・ミッチェルさんの再来なんて言われてたりしました。
そして独特の空気感のある声が本当に特徴的で耳触りが良いですね。
フォークギターを持つ姿が華奢だけど凛としている、そんなイメージの方です。



デビュー当時のスザンヌさん。


才気溢れるファーストアルバム、
大ヒット曲「トムズ・ダイナー」「ルカ」を収録したセカンドアルバム。
ここまで快進撃なのですが、
サードアルバム「Days Of Open Hand」はイマイチ華がなく、
「あれ?そうそう傑作ばかりは出せないかな」って思いました。


その次のアルバムはご本人も殻を破りたかったのかも知れませんが、
実験的なインダストリアル系のサウンド素敵な歌声にエフェクトが掛かってたり、
まるでクラスで輝いてた女の子が、
コンビニの前でヤンキー座りでタバコを吹かしてたのを見てしまった...
ような気分になりました。
5枚目はさらにその傾向が増して、ある方面では名盤と名高いですが全然ハマらず、
6枚目は少しフォーク路線に戻るもどの楽曲もキラメキがなく、
だんだんとフェードアウトしてしまいました。
なんだかんだで聴いてはいましたけど。



というわけでしばらく記憶の端っこに追いやられていましたが、
たまたま出会った今回のニューアルバム。


現在65歳だそうです。こんなかっこいい65歳。


シンプルなフォークロックな感じでなかなか良い感じだなと思いました。
元気な時のボブ・ディランみたいなオープニングから、
初期の様なタイトル曲。ドラマティックな3曲目。なかなか良いです。
でも4曲目の「Chambermaid 」
ボブ・ディランさん「I Want You」をオマージュした曲なのですが、
所々メロディがそのまんま歌詞が違うだけみたいなモヤモヤ感がすごくて、
ちょっと混乱します。なんなんでしょう。
秘密道具が一切出てこないドラえもんの長編アニメを見せられてるみたいです。


「Alley」スザンヌさんの真骨頂なサウンドでコーラスが素晴らしいです。
唯一異彩を放つ80年代パンクみたいな「Rats」という曲も面白いです。
わざわざスザンヌさんがやる事ないとは思ってしまいますが、これはこれでユニーク。
最後は80年代のスザンヌさんらしい「Galway」が良いですね。

と勝手なことを言いましたが、
久しぶりにスザンヌさん全く変わらない歌声が聴けて良かったです。
40年の時を経て再び輝き出したスザンヌさんの才能。
もし来日公演があったら行ってみたいなと思うアルバムでした。


それでは保守的なスザンヌ・ヴェガファンが選ぶおすすめ曲。

ファーストアルバムに収録された名曲。
爽やかで明るい曲調のAメロからサビがマイナーになるのが非凡です。
流れるような歌い回しも非凡。


マレーネの肖像 - スザンヌ・ヴェガ
https://www.youtube.com/watch?v=tHZV7NOqEY4



セカンドアルバムに収録された「Gypsy」
サマーキャンプにスタッフとして参加したスザンヌさんが経験したひと夏の恋の歌。
だったと思います。とてもロマンティックな名曲。


ジプシー - スザンヌ・ヴェガ
https://www.youtube.com/watch?v=1kOG4FVuqG8



そして全米No.1ヒット「Luka」
爽やかな曲調とは裏腹に児童虐待をテーマにした歌です。
ルカくん視点の歌詞がとても分かりやすく切ないです。
あのスーパースターのプリンスさんは当時「Luka」を聴いて、
スザンヌさん手紙を書いたそうです。
当時は誰も知りませんでしたが、2016年にその手紙が公開されました。


   親愛なるスザンヌへ。
   “Luka”は私が長年聴いた中で最も心を動かされる音楽です。
   この曲を聴くたびに感じることを言葉で表現できません。
   神様に感謝します。
                         プリンス


ルカ - スザンヌ・ヴェガ
https://www.youtube.com/watch?v=VZt7J0iaUD0



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