さよなら銀河鉄道879
構想４０年。
西暦2221年、少年にその声が届いた…
https://www.youtube.com/watch?v=Shu4Ee7g9i0
あたりを見回すが声の主の姿が見えない。
そして、少年の目の前に現れたのは...
プオォ〜〜〜ジュポポポジュポポポ....
夜空を駆ける銀河鉄道。
ハナーナインが目の前に現れたのであった。
よし！乗り込むだよ！
てぴろうさ〜ん！！
少年は車掌さんの手に掴まり、無事にハナーナインに乗り込めたのであった。
それから車内で懐かしい女性（ひと）と再会する。
それは昔一緒にハナーナインで旅をしたメーペルであった。
メーペル！！
てぴろう、久しぶりだわよ。
会いたかっただよ。
もう消しゴムのカスは集めてないのかしらだわよ？
恥ずかしいだよ。そんなのもう卒業しただよ。
再会を喜ぶ二人。
だがメーペルがてぴろうを呼んだのには、
ある深刻な理由があったのだ。
メーペル、今度の旅はなんだよ？
僕は機械人間になりたくないだよ。
大切なお話とは何だよ？
てぴろう...人間は歳を取るだわよ。
そんなの僕でも知ってるだよ。
いえ、てぴろうはまだ若いから知らないだわよ。
人間は歳を取ると加齢臭がする生き物だわよ。
カレー臭？美味しそうだよ。
カレーは新宿中村屋が1番美味しいだわよ。
間違いないだよ。カレーは良い匂いだよ。
そうではないだわよ。
歳を取ると身体から悪い脂の臭いがしたり、
枯れ草のような臭いがしたり、
人によっては酸っぱい臭いがするのだわよ。
えぇ？！そんなの嘘だよ！
いいえ、嘘ではないだわよ。
そして毎朝起きる度に枕の臭いを嗅いで切なくなるだわよ。
そ、そんな…僕はイヤだよ！
てぴろう、あなた花人間になりなさいだわよ。
花人間？！
惑星ハナドロメダへ行って、
花人間になれば歳を取ってもお花の匂いがするだわよ。
分かっただよ…
僕ハナドロメダに行くだよ！
着いただわよ。
早いだよ！
そんなに時間はないだわよ。
そしててぴろうとメーペルはある研究室の一室に辿り着いた。
てぴろう。これが花人間になれるマシーンだわよ。
こ、これが！
これで僕は大人になっても臭くないんだね！
そうだわよ。これで立派な花人間になるだわよ。
よし...
大人になって加齢臭に悩まされるなんて嫌だよ...
僕は行ってくるだよ！
スイッチオンダヨー
ブイーン、ブイーン…
オォ！煙ガ凄イダヨ！
ミ、見エナクナッタダヨ…
ダ、大丈夫ナノカダヨ…
３分待ツダヨ。
真っ白になった花人間システム。
果たしててぴろうは大丈夫なのだろうか。
皆が固唾を飲んで見守る中、徐々にその煙が晴れていった。
コ、コレハ！！
ダ、誰ダヨ？！
テピロウハ何処行ッタダヨ？！
いいえ。これがてぴろうだわよ。
みんな花人間に生まれ変わる時、顔がムッシュになるだわよ。
てぴろう...頑張っただわよ...
どこから見ても立派なムッシュだわよ...
ありがとうメーペル。
これでやっと僕も加齢臭を恐れない立派な花人間になれたんだ！
いつでも自信を持ってババババンだわよ。
うん！僕ババババン頑張るだよ！！
ハナドロメダで無事に花人間に生まれ変わったてぴろう。
だがお別れの時はすぐそこに迫っていた。
てぴろう、ここでお別れよ...
うん、ありがとう。またいつかババババンだよ。
そうだわね...
またいつかきっとどこかでババババンだわよ...
少年はまた一つ大人になった。
芳しい香りを身に纏い、一人歩んで行くのである。
今再び万感の思いをのせ銀河鉄道は走り出す。
さよならメーペル！
さよなら銀河鉄道879！
https://www.youtube.com/watch?v=P1edpxJ7cRY
ゴダイゴ - 銀河鉄道９９９
https://www.youtube.com/watch?v=ain9L2rKSug
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