ぴとみばあさん
長い長い夏がやっと終わってくれました。
これからどんどんお花も生き生きしてくる季節です。
ところで花っぴぃたちが何やら表に集まっています。
「表ニ電柱トオ話シテル、オバアチャンガイルダヨー」
電柱とお話？どうしたんでしょう。
めちゃめちゃ手が震えてらっしゃいますね。
ちょっと心配なので声を掛けてみましょう。
「おばあちゃん！おばあちゃん！大丈夫ですか？」
「ソシタラ孫ガネ、オバアチャンハ何デ、
イツモファファッテ息ガ漏レテルノッテ聞クカラ、
年寄リハネ色ンナモノガ漏レルダヨネ。
ッテ言ッテ二人デ大笑イシマシタダヨ。」
「ちょっとおばあちゃん！おばあちゃん！誰とお話ししてるんですか？」
「アンタ誰デスカダヨ？」
「すぐそこの花屋です。」
「オ花屋サン？今アタシモオ花屋サントオ話シテタダヨ？」
「おばあちゃんがお話ししてたのは電柱です。」
「アラーソレハゴ丁寧ニドウモダヨ」
何かうちにご用があったみたいですね。
とりあえず店内に入って頂きました。
「おばあちゃん、うちに何かご用だったんですか？」
「ハジメマシテダヨ。表ノパート募集ノ紙ヲ見テ来マシタダヨ。」
「うん？表にそんな張り紙してましたっけ。
残念ですが見ての通り暇な花屋ですので、
今はパートさん募集してないんです。
何か別のお店と勘違いされてるのかも知れ…」
うわぁ。びっくりしました。
突然大きな声を出さないでください。
「ソレジャ、明日カラ頑張ルダヨ。
ヨロシクオ願イシマスダヨ。」
「いえいえ、ぴとみさん…」
「ナンデアタシノ名前ヲ知ッテルダヨ？！」
「いや、エプロンにでっかく書いてありますし。」
また大きな声で...
ってあれ？ぴとみって…
もしかしてあの有名な「ぴとみばあさん」さんですか？
「ソウデスダヨ。」
あぁ。初めてお会いしましたけどお懐かしい。
昔、あやはなの近所に「ぴとみ」って居酒屋があってそこの名物おばあちゃんなんですよね。
まだフジテレビが新宿の河田町にあった頃には、
スタジオも周りにあって撮影もしてたらしいのですが、
夜中に撮影が終わってご飯をと思っても、
以前は「ぴとみ」さんくらいしか夜中にやってなかったそうです。
なので撮影が終わった志村ぺんさんなんかがよくいらしていて、
そこで出会ったぴとみばあさんのモノマネを始めたという素敵なお店です。
自分がこの街に来た頃はまだご営業されていましたが、間も無くお辞めになって、
今じゃ建物もすっかり新しくなってしまいました。
「ぴとみさん。お会い出来て嬉しいですが、
本当に申し訳ないのですが、うちでは今募集してないんです。
また忙しくなって人手が足りなくなったらお声を掛けさせて頂きますので…」
「ウワーンダヨー。オ店ヲ辞メテカラ一杯面接行ッタケド、
何処モ雇ッテクレナイダヨ〜！！」
いつも手が震えてるのが原因じゃ…と思いましたけど、
「ぴとみさん泣かないでください。
きっと何処かにぴとみさんを必要としている場所がありますよ。」
今の所、そういうのが精一杯ですが…
「可哀想ダヨー」
「面白イオバアチャンナノニダヨー」
そうは言われても…
「ソウダヨ！マタ居酒屋ヲヤレバ良イダヨ！」
やれば良いって、もうビルごとなくなっちゃってるんですよ。
「皆ンナデ、オバアチャンノオ店ヲ作ルダヨ！！」
そういうと花っぴぃたちは集まって何やら工事を始めました。
「ジャーン！出来タダヨー！！」
おぉ、これはまさしく「ぴとみ」！！
立派なお店が誕生しました！！
「ア、アリガトウダヨー！！ピーチャン頑張ルダヨー！！」
ぴとみばあさん良かったですね。
これでまた元気に楽しいお店が出来ます。
新宿の街もこれで一層活気付く事でしょう！
今夜も居酒屋「ぴとみ」は花っぴぃたちの笑い声で賑わっています。
新宿のどこかで...
ひとみばあさんの喫茶店
https://www.youtube.com/watch?v=jUJSBOrfdPw
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