ぷりま!その4

 


前回までのあらすじ


ついにあやはなロイヤルバレエ団代表、
天才バレエダンサー白鳥スワン次郎に出会えたぷりま。
幼い頃からの夢だったバレエ団への入団を直訴し、
ついにスワン次郎の前で踊る事を許された。
いよいよぷりまが舞う日が来た!





「は、はい!お願いしますだ!!」


スワン次郎の前で披露する踊り。
ぷりまは一体何を踊るつもりなのだろうか。


「音楽は必要ですか?」






「夢想花(むそうばな)」

円ぴろ志が1979年に発表した楽曲。

この曲に魅せられた数々のバレエダンサー達が挑んできたが、

世界で唯一踊れたとされるのはスワン次郎ただ一人と言われている。






臆することなくバレエ界の最大の難曲、
「夢想花」を選んだぷりま。
果たしてどのような踊りを披露するのだろうか。






いよいよ舞台の幕は切って落とされた...






祈りの姿勢で静かにイントロを聴くぷりま。











ここから最大の難局に差し掛かる...







「スゴイダヨー」


テンポよく連続グランジュッテを繰り出すぷりま。

だがしかし...


「アァ〜!!」













バランスを崩し床に倒れ込むぷりま。



「プリマ!大丈夫ナノダヨ!?」


(だみだ…緊張のせいで上手ぐ身体が動がね…)






スワン次郎の声が冷たく響いた。



そしてその時、
ぷりまの脳裏にあの日勇気づけてくれた、
ふるさとの仲間たちが浮かんだ。







「ガンバルダド、プリマ」

「東京モンニ負ケルナダド」

「保険証持ッタダド?」

「オ茶碗持ツ方ガ左ダド」







「まだ踊るだ!」

そう叫んで、ふたたび立ち上がったぷりま。

そしてまた猛烈に踊り続けるのであった!







「ここからだ...
 スワン次郎さん、花っぴぃたち...
 おらのピルエットを見でくれ!!






※明るい室内でご鑑賞ください



「オォ…速イダヨ!」


凄まじい勢いでピルエットを繰り出すぷりま。
そのスピードは音速を遥かに超えていた!


「ス、スゴイダヨ...!」


「ア、アレハ!?」


「プ、プリマノ背中ニ...
 青イ鳥サンガ見エルダヨ!?」









「マ、マルデ台風ダヨ...!」


「コノママデハ皆ンナ飛バサレテシマウダヨ...」


「ア、アヤハナガ!!!」


その時凄まじい轟音が鳴り響いた!






ついにぷりまの光速ピルエットであやはなの天井が吹っ飛んだ!


「ミンナ避難スルダヨー!!」


花っぴぃたちは急遽、あやはなから避難するのであった。




〜それから3分後〜





「アラ?風ガ止ンダダヨ?」


「プリマノ踊リガ終ワッタノダヨ?」


風が止んだ。
先ほどまでの嵐のような風は止み、
あたりは静けさに包まれていた。


そして心配そうにあやはなの中に戻る花っぴぃたち。



するとそこには!!





「プ、プリマー!!」


「プリマガ立ッタママ凍ッテルダヨー!!」



光速ピルエット。
ぷりまが繰り出したこの技は、
己の半径1メートルを真空状態にし光速で回転する。
その真空状態の中は絶対零度にまで気温が下がってしまう、
大変危険な技なのであった。
わずかな時間であれば生存率は高いが、
数分間踊り続けると人間の体はもたない。

カチコチに凍り、
まるで踊りながら絶命したかのようなぷりま…
一体ぷりまはどうなってしまうのか?!



次回、衝撃の最終回につづく!!













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