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あべぷゆみ
こんにちは、あやはなです。
ということで、
渋谷のduo MUSIC EXCHANGEにて、
阿部ぷゆみさんのライブを観て来ました。
これはどうしても行きたいライブでしたので
チケット取れて良かったです。
日本のノラ・ジョーンズことぷゆみさん。
何も誇張ではなく、そのウィスパーボイスと表現力は全く互角かなと思います。
(知名度とセールスは除く)
初めて聴いたのは「highway, highway 」という曲で、
ウィスパーボイスで歌う方は今までにも居たと思いますが、
当時は何かやたら本格的な方が現れたなと思いました。
この曲もすごくシンプルな曲ですが、
どこまでも遠く目の覚めるような青空と、
張り詰めた冷たい空気が感じられるスケールの大きな名曲です。
それから色々と聴いていましたが、
コロナ禍にリリースされた「凪」という曲。
これは本当になんて言うか刺さりましたね。
まさに当時の自分の心情に歌詞も曲調もピッタリ過ぎました。
世の中の景色が180度変わってしまって、
新宿なんかも夜は真っ暗になってしまい、
3丁目の飲み屋街は人っ子一人いないゴーストタウンになりました。
あんなに煌々と光ってたお店の看板達も真っ暗です。
毎晩の様に人の声で溢れていた街が静まり返ってます。
あの光景を見た時は「これから本当にどうなっちゃうんだろう」と思いました。
家に帰っても、いつもの賑やかな通行人の笑い声もなく、
空車のタクシーだけが道路を走り、
コンビニは22時で閉まってしまったり。
そして自分の意見が言えない重苦しい同調圧力。
本当に世界が凪に包まれた様でした。
そんな中たまたま聴いたぷゆみさんの「凪」
あぁやっぱり同じ様に感じている方がいるんだなと思うと同時に、
アーティストも本当にご苦労されたと思いますが、
そんな中でも希望を見失わずに、
みんなのすべてが上手く行くようにと祈る
と慈悲深く歌うぷゆみさんのこの曲には、
本当に救われた気分になりました。
現実に目を背けて夢や理想を歌うのではなく、
飾ることなく今現在の等身大の生活を歌うぷゆみさんに、
アーティストとしての真摯な姿勢を感じました。
どっちも大切だとは思いますけど。
昔、糸井ぴげさとさんが「Mother2」というゲームを作りましたが、
現代を舞台にとても可愛くて楽しくエモいRPGでしたけど、
最後のボスとの戦いが「歌」なんですよね。
今までの冒険で集めてきた歌を歌う事で敵と対峙する、そんなシーンがありましたけど、
やっぱり歌や音楽にはそういう偉大な力があるんだなと、
あらためて思わされる、ぷゆみさんの歌声でした。
どんな時でも歌を歌ってれば何とかなるんじゃないかと、
そんな前向きな気分にさせてくれるとても小さく静かな囁きです。
色々な人の人生において、色々な曲が励ましたり慰めたり、
音楽には聴く人の世界を変える力があると本当に思います。
なので…
聴く人の生活にひっそりと寄り添ってくれるような、
ささやかで揺るぎなくて嘘のない歌を歌ってくれるぷゆみさん。
歌を通して頂いたものに対しての恩返しではないですが、
ぜひライブに行きたいとずっと思っていました。
と思いながら待ちに待ったニューアルバムですが、
ご本人もインタビューで仰ってましたが、
中盤まですごく地味でどん底感がある感じです。
でも「凪」が収録されてるだけで名盤です。
(他にも良い曲いっぱい収録されています)
そんなニューアルバム販売促進会と称した今回のライブ。
さて、どんなライブなんでしょう。
会場に到着。
前回マイケル・ポンローさんを観たO-eastの下なのでした。
整理券番号270番台だったのでギリギリ椅子あるかなと思いながら入場しましたが、
全席荷物が置いてある…。くぅ…おっさんなので座りたかった…。
仕方ないのでどこで観ようかウロウロしてると、
端っこの後ろの方にひと席だけポカーンと空いてました!
お隣の男性に「ここ大丈夫ですか?」と聞くと「大丈夫ダヨー」と言ってくださったので、
やっと席を確保出来ました。本当に良かった。
狭いライブハウスですけど、真ん中辺りにある大きな柱が邪魔です。
どうにかならなかったんでしょうか。
オールスタンディングだと700名位入りそうですが、今回は500人位でしょうか。
会場内に流れる音楽を聴きながらビールを飲んで待ちましょう。
開演時間になって会場内の音楽鳴りっぱなしの中、
バンドの方が出て来てぷゆみさんも登場。
やっぱり背が高いです。そして腕細っ!
さら〜っと入って来て、いきなりまったりして「GWだね」みたいな普通の会話。
本当に気負いのない方だなという感じです。
そして静かに「Neverland」を歌い出しました。
もう当たり前なんですけど、いつも聴いてたぷゆみさんの少しハスキーなウイスパーボイス。
ピカソの絵の前に立って「おぉピカソだ。カッコいいな」と思うのと同じ様に、
歌声は当たり前のように本物過ぎて、いきなりこのクオリティなんだと驚くと同時に、
少しリッチな気分になりました。
一言で言うと、カッコよすぎてヤバいです。
そして「空に舞う」「SODA」「希望のうた」と名曲を固め撃ち。
どれもアンコールの最後でも良さそうな気がしますが、
そういう空気や流れを読まないのがぷゆみ流かも知れないなと思いました。
どれも素晴らしい歌声でした。
何度か途中でMCがありましたが、
楽屋で天気の話をしてるのかな?って位、普通の話で全く盛り上がりません。
ドキドキしてツッコミたくなりましたけど、逆にこういう空気もちょっと可笑しくなったり。
本当に人前で話すのはあまり好きではないのかなと思うほどイメージ通りでした。
歌は超一流。MCは素人以下です。褒めてます。
ただ「今日はいつもよりお喋りだな恥ずかしいな」とご自身では仰ってましたが。
どこまでも飾らないお人柄は本当に素敵だなと思いました。
そして聴きたかった「凪」
イントロが鳴った瞬間、姿勢を正してしまいました。
やっぱりとてもとても良い曲でした。
淡々と歌い話す。けどファンの方への愛は伝わって来る。
不器用だけど本物過ぎる歌を通して色々と伝わって来る、
本当に不思議なアーティストだなと思います。
バンドの方も寡黙だけど音に集中している様子が素晴らしかったです。チェロの音色が最高でした。
何よりファンの方が聴きたかった曲の数々を惜しみなくやってくれたのが、
ファン想いで1番のプレゼントな気がします。最高のセットリストでした。
2024.5.3 SHIBUYA duo MUSIC EXCHANGE セットリスト
終演後のぷゆみさんのギター。
最前列ど真ん中の席に座ってみましたが、
めちゃめちゃ至近距離で良い席でした。
自分の為に歌ってくれてる感が満載ですね。
いつかここに座りたい。
コロナ禍が落ち着いてきたその後の「SODA」という曲も、
混乱や凪の中からゆっくりとリスタートする様子が、
どこまでも飛んで行けそうな本当に爽やかで気持ちの良い曲です。
何度でもやりなおしましょう。そんな曲です。
なぜか松屋のCMソングでしたね。松屋応援します。
阿部芙蓉美 - 空に舞う
https://www.youtube.com/watch?v=wSQ_p0HtGNA
凛として時雨というバンドはお名前だけで聴いたことなかったんですが、
平成のTKさんも凄かったですが令和のTKさんは何か凄まじい才能を感じますね。
珍しくシャウトするぷゆみさん。
ぷゆみさんの歌は真夜中から明け方、
夜が白み始めた時間帯にコーヒーを飲みながら聴くのがぴったりです。
どんな時代でも前向きに乗り越えてゆこうとする彼女の歌を、
これからも聴き続ける事と思います。
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